本稿では、Caroline Rivers博士(Bristol大学、総合神経科学・内分泌学研究室)よりご提供いただいたデータと共に、クロモテック(2020年よりプロテインテックグループ)の『RFP-Trap®(カタログ番号:rta-20)』がクロマチン免疫沈降(ChIP:Chromatin immunoprecipitation)に利用可能であることを示しました。Caroline Rivers博士の研究では、研究対象となるホルモン受容体を認識する適切な抗体が存在しなかったため、ホルモン受容体のN末端にRFP(赤色蛍光タンパク質)の1つであるmCherryを融合させたホルモン受容体の組換えタンパク質を作製および発現させています。ホルモン(リガンド)が存在する場合に、予測される標的DNA配列に対して、ホルモン受容体のDNA結合性が誘導されます。ChIP解析を実施するにあたり、mCherry融合タンパク質‐DNA複合体の効率的なプルダウンのために、クロモテックのRFP-Trap®が採用されました。
ホルモンの存在有無に依存した、mCherry融合ホルモン受容体とDNAの相互作用を、クロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイによって解析しました(左:コントロールビーズ(カタログ番号:bab-20)、右:RFP-Trap®(カタログ番号:rta-20)を使用)。コントロールサンプルで得られた値との相対的な比較によって、ホルモン処理を行った場合はホルモン受容体が特定のDNA配列領域に結合することが示されています。
Caroline Rivers博士の実験では、RFP-Trap®を使用することによって、mCherry融合タンパク質とDNAの相互作用解析のためのクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイで良好な結果を得られることが示されました。
クロモテックのRFP-Trap®は、VHH抗体(別名:Nanobody®)と呼ばれる、ラクダ科動物の重鎖抗体(重鎖のみで構成され、軽鎖を持たない抗体)に由来する組換えモノクローナル抗体からなる製品です。RFP-Trap®は様々な条件の免疫沈降で、再現性の高い結果を提供します。
プロテインテックでは、RFP-Trap®のサンプルを無償で提供しています。下記フォームよりご依頼ください。
(※ 国内におけるプロテインテック製品の出荷および販売は、コスモ・バイオ株式会社を通じて行っております。
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