PBS-Only(キャリアフリー)抗体とは?通常抗体との違い・用途・保存の注意点を解説
ProteintechのPBS-Only(キャリアフリー)抗体について解説。BSA・アジ化ナトリウム・グリセロール不使用のメリット、抗体直接標識(ラベリング)やビーズ固定化での活用法、凍結融解を防ぐ正しい保存方法まで分かりやすく紹介します。
概要
PBS-Only(キャリアフリー)抗体とは、キャリアタンパク質(BSAやゼラチン等の保護タンパク質)、防腐剤(アジ化ナトリウム)、凍結防止剤(グリセロール)等の添加物を一切含まず、PBSバッファー(リン酸緩衝生理食塩水)のみに懸濁された抗体です。
バッファー交換(脱塩・透析)の手間なく、抗体の直接標識(ラベリング)やビーズ・基板への共有結合(固定化)にそのままご使用いただけます。
通常の抗体とPBS-Only抗体の違い
通常の抗体(防腐剤等含有のバッファー製品)とPBS-Only抗体の仕様・用途の違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 通常の抗体(通常バッファー) | PBS-Only(キャリアフリー)抗体 |
|---|---|---|
| 主なバッファー成分 | 抗体 + BSA + アジ化ナトリウム + グリセロール + PBS | 抗体 + PBS のみ |
| カタログ番号表記 | 末尾 -AP、-IG、-RR 等 | 末尾 -PBS |
| 主な用途 | ウェスタンブロット(WB)、IHC、IF 等 | 抗体直接標識、ビーズ固定化、添加物を避けたいアッセイ |
| 脱塩・バッファー交換 | 必要(標識や共有結合を行う場合) | 不要(そのまま反応に使用可能) |
| 保存方法 | -20℃で液体状態で保存 (グリセロール含有のため) |
-80℃ で凍結保存 |
| 保存安定性 | 長期保存に優れる | 凍結融解の繰り返しを避ける |
PBS-Only抗体が選ばれる3つの理由と主な用途
1. 抗体の直接標識(ラベリング・コンジュゲーション)
蛍光色素(Alexa Fluor、FITC等)、ビオチン、酵素(HRP、AP等)、DNAオリゴヌクレオチド等を抗体に直接結合させる反応に最適です。
- メリット:通常の抗体に含まれるBSA(ウシ血清アルブミン)等の添加タンパク質が存在しないため、標識試薬が目的抗体だけに効率よく反応します。脱塩カラムや透析による前処理の手間とサンプルロスを回避できます。
2. ビーズや基板への共有結合(アミンカップリング・固定化)
磁気ビーズ、アガロース樹脂、ELISAプレート、SPR(表面プラズモン共鳴)やBLI(バイオレイヤー干渉法)のセンサーチップへの固着に活用できます。
- メリット:未反応の一次アミン(BSA等)が共存しないため、アミンカップリング反応の阻害を防ぎ、高い結合効率を実現します。
3. 添加物を避けたい各種アッセイ等への応用
アジ化ナトリウム(細胞毒性を持つ防腐剤)や他生物由来タンパク質(BSA)の混入を避けたい各種実験系でご検討いただけます。
※ご注意事項
PBS-Only製品は細胞毒性のある防腐剤を含みませんが、メーカー等での生細胞アッセイ(機能性アッセイ・中和実験等)における動作保証・検証は行っておりません。各種アッセイへのご使用に際しては、事前にお客様の実験系にて条件検討をお願いいたします。
PBS-Only製品は細胞毒性のある防腐剤を含みませんが、メーカー等での生細胞アッセイ(機能性アッセイ・中和実験等)における動作保証・検証は行っておりません。各種アッセイへのご使用に際しては、事前にお客様の実験系にて条件検討をお願いいたします。
PBS-Only抗体の正しい取り扱い・保存方法
PBS-Only抗体は、保護タンパク質(BSA)や凍結防止剤(グリセロール)を含まないため、通常の抗体とは取り扱い方法が異なります。性能を維持するために以下の点にご注意ください。
- 到着後すぐに小分け(アリコート)する
凍結融解の繰り返し(Freeze-Thaw)は、抗体の失活や凝集の原因となります。初回融解時に、1回のご使用量ごとに小分け分注してください。 - -20℃ 以下で凍結保存する
グリセロールが含まれていないため、-20℃ で凍結します。デフロスト機能(自動解凍機能)が付いていないディープフリーザーでの保管を推奨します。 - 希釈後の保存を避ける
希釈した状態での長期保管は抗体が不安定になるため、使用直前に調整してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 通常の抗体(BSA入り)を脱塩して使えば、PBS-Only抗体と同じになりますか?
A. 通常の抗体を透析や脱塩カラムでバッファー交換することは可能ですが、作業工程で抗体をロスするリスクや、完全に防腐剤・BSAを取り除けないリスクがあります。最初から「PBS-Only」製品をご使用いただくことで、回収率の低下を防ぎ、安定した実験結果が得られます。
Q. 既存の抗体と同じクローン(抗原認識部位)ですか?
A. はい。Proteintech社の PBS-Only 抗体(品番末尾:-PBS)は、通常の製品(例: -IG や-RR)と同じモノクローナル抗体・リコンビナント抗体と同じクローンを使用しています。エピトープや特異性はそのままに、バッファー組成のみをPBSに変更した製品です。
Q. 生細胞アッセイや in vivo 実験に使えますか?
A. アジ化ナトリウム等の防腐剤を含まないため、細胞や生体への添加試験・応用をご検討いただけます。ただし、本シリーズは免疫染色やWB、標識用途を主目的とした製品であり、生細胞アッセイにおける機能検証(無菌試験やエンドトキシン測定等)は行っておりません。あらかじめご了承ください。
New chat
Able™
正在加载,请稍候...