よくある質問 FAQ


MultiPro™(マルチプロ)について

Q:MultiPro™(マルチプロ)とはどのような製品ですか?シングルセル解析ワークフローでどのように機能しますか?

A:MultiPro™ は、オリゴヌクレオチド標識抗体製品です。シングルセルトランスクリプトミクス解析時にプロテオミクス解析を同時並行して実施するためのマルチオミクス解析用試薬であり、シングルセルRNA-seq(scRNA-seq)を実施する際に細胞表面タンパク質と細胞内タンパク質の定量を行えます。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)製品は、どのシングルセル解析ワークフローに適合しますか?

A:MultiPro™ は、10x Genomics社が提供するFeature Barcode技術およびSample Multiplexingのワークフローを用いるChromiumシステムのSingle Cell Gene Expression Flex専用の抗体試薬です。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)はどのようなサンプルに使用できますか?

A:本製品は、Fcブロッキング処理および4% PFA(パラホルムアルデヒド)固定処理を施したヒトPBMCを用いて検証が実施されています。MultiPro™ 抗体カクテルはヒトタンパク質をターゲットとしているため、その他のヒト細胞/ヒト由来細胞にも適合すると考えられますが、予備検証による最適化を必要とする可能性があります。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)抗体カクテルには、研究対象とするタンパク質に対する抗体が含まれていません。何らかのオプションはありますか?

A:プロテインテックおよびプロテインテック・ジェノミクスチームでは、自社の抗体ポートフォリオの評価およびスクリーニングを実施し、新しいオリゴヌクレオチド標識抗体を作製しています。販売中の抗体カクテルに含まれていない任意のターゲットに対するオリゴヌクレオチド標識抗体をご希望の場合、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)製品に他社のオリゴヌクレオチド標識抗体を混合することはできますか?

A:MultiPro™ とその他のオリゴヌクレオチド標識抗体の併用に関連する内容については、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までお問い合わせください。

 

Q:手元にある抗体をオリゴヌクレオチド標識して、MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)に添加することはできますか?

A:可能です。MultiPro™ 抗体カクテルとその他のオリゴヌクレオチド標識抗体の併用に関連する内容については、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までお問い合わせください。

 

Q:他のシングルセル解析および空間解析のプラットフォームに適用可能な抗体カクテルのカスタム対応はできますか?

A:可能です。抗体カクテルのカスタム対応に関連する内容については、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

Q:カスタム抗体カクテルの作製を依頼したい場合、最大で何種類の抗体を混合することができますか?

A:ご希望のターゲット数のカスタム抗体カクテルを作製可能です。少量の抗体カクテルを作製する場合、追加料金は発生しませんが、200種類以上の抗体を配合したカクテルの作製には別途追加料金が発生する場合があります。

 

Q:カスタム抗体カクテルの納期はどの程度ですか?

A:他社の抗体を使用する場合、すべての抗体を受領後約6~8週間程度のお時間を頂戴します。追加のカスタム検証サービスをご希望の場合は、追加で2~3週間程度のお時間を頂戴します。納期については、お見積りの前に別途ご案内いたします。

 

Q:カスタム抗体カクテルには基本的な検証は実施されますか?

A:カスタム抗体カクテルについては、LPSまたはPMAで処理したヒトPBMCまたはマウス脾臓細胞を用いた検証を実施いたします。

 

Q:カスタム抗体カクテルの作製において、どのようなカスタム検証サービスを提供していますか?

A:可能な限り、ご使用予定の細胞の種類や実験条件に応じた追加検証を実施いたします。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)の抗体はヒトタンパク質だけに反応性を示すのでしょうか?

A:MultiPro™ で使用している抗体は、マウスを含む他の動物種に交差反応を示す場合がございます。各抗体クローンにおける交差反応性については、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までお問い合わせください。

 

Q:掲載されている検証データでは、サイトカインの検出・定量にあたりタンパク質輸送阻害剤を使用していますか?

A:掲載されている検証データでは、一般的なタンパク質輸送阻害剤による処理を施したサンプルを使用しています。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)はどのくらいの期間安定ですか?

A:MultiPro™ の抗体または抗体カクテルは、お手元に届いてから1年間の安定性を保証しています。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)のプロトコールを教えてください。

A:こちらからご覧いただけます[PDF](言語:英語)。

 

サンプル調製について

Q:MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)のプロトコールには4% PFA固定細胞を使用すると記載されています。他の方法で固定された細胞を使用することはできますか?

A:MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)は、4% PFAで15分間固定した細胞サンプルで最も優れたパフォーマンスを発揮します。異なる固定条件の研究デザインをご検討される場合、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

Q:4% PFAで固定した細胞の長期間保存は可能ですか?

A:参考資料として10x Genomics社のプロトコール「Fixation of Cells & Nuclei for Chromium Fixed RNA(GC000478)[PDF]」をご覧ください。「Sample Fixation」以降の工程まで実施し、その後の保存期間については「Fixed Sample Storage Guidance」の項を参照してください。なお、プロトコールの最新バージョンは10x Genomics社のサポートページよりご確認いただけます。

 

Q:固定処理を15分以上実施しても問題ないでしょうか?

A:固定処理の時間は、細胞構造の完全性を維持したまま透過処理を実施できるよう最適化されています。また、15分間の固定処理を実施することであらゆる抗体による染色の成功率が高まります。固定処理の時間を延長してもRNA検出への影響は最小限に抑えられますが、抗体によってはパフォーマンスに悪影響が生じる場合があります。固定処理の時間を変更して実験を実施したい場合は、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

抗体カクテル

Q:MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)が凍結乾燥品として提供されている理由を教えてください。

A:凍結乾燥品として保存されることにより、メリットとして配送や保管期間を含めた長期安定性の向上が見込めるためです。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)の保管方法を教えてください。

A:未使用製品の場合、付属の保存用パウチに入れて封をした後、冷蔵条件(2~8℃)で保管してください。保管時は乾燥剤を同封してください。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)のプロトコールにおいて、再構成後の抗体カクテルに対して遠心分離を実施し、凝集体を除去するステップが含まれる理由を教えてください。

A:バッファーで再構成された抗体は、凝集体・凝集物(aggregates)を経時的に形成するおそれがあります。次世代シーケンシング(NGS)解析は高いアッセイ感度を示すため、ごく微量の凝集体の存在であっても、シーケンス深度の低下やオンターゲットシグナルのダイナミックレンジの減少により、NGS解析効率の低下を招く場合があります。その結果、NGSデータの品質に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、抗体カクテルを固定細胞に添加する前の予防措置として、抗体カクテル溶液に存在する可能性のある凝集体を遠心分離によって除去する必要があります。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)抗体(単品)をMultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)に添加して使用することはできますか?

A:MultiPro™ 抗体(単品)は単独で使用することができるほかに、MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)に添加して使用することができます。

 

「染色」について

Q:透過処理の方法を教えてください。

A:細胞をNP-40またはTween-20等の界面活性剤で透過処理します。詳細はプロトコールをご覧ください[PDF](言語:英語)。

 

Q:固定処理を実施してから染色する理由を教えてください。RNAの品質に悪影響を及ぼさないのでしょうか?

A:細胞は固定されないまま界面活性剤に暴露されると細胞膜が崩壊してしまうため、固定処理は細胞内のターゲットを染色する上で極めて重要な工程です。プロテインテックはプロトコールを詳細に検証し、15分間の固定処理を実施してもRNA検出のパフォーマンスに影響はないことを確認しています。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)オリゴヌクレオチド標識抗体は組織から調製した単一細胞懸濁液に適用できますか?

A:MultiPro™ 抗体は、組織を分解酵素で処理した単一細胞懸濁液の染色に使用することができます。ただし、酵素処理によって細胞のターゲットタンパク質が分解され総量が減少するおそれがあるため、染色時に使用する抗体濃度を高くする必要があります。詳細について確認したい場合は、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

Q:1つのバイアル(1 rxn)でどれくらいの細胞を染色できますか?より大きなサンプルスケールに変更することはできますか?

A:MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)には、4バイアル(各1 rxn、計4 rxn分)の抗体カクテル(凍結乾燥)が含まれます。再構成後の抗体カクテルは、1バイアルあたり100万個(106個)の細胞を染色できるように事前に抗体価が測定されています。より多くの細胞を染色する目的で抗体カクテルを推奨倍率以上に希釈すると、製品パフォーマンスやデータ品質に影響を及ぼす可能性があります。10x Genomics社のChromiumの装置にロードする細胞の損失を軽減するために、可能な限り1サンプルあたり100万個となるよう細胞を調製し実験を開始することを推奨します。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)オリゴヌクレオチド標識抗体(単品)を使用する場合、1回の染色反応で使用する量はどのくらいですか?

A:原則として、1種類のオリゴヌクレオチド標識抗体で染色を実施する場合やMultiPro™ の単品抗体を抗体カクテル1 rxnに添加する場合、細胞1×106個あたり~0.5 μgのオリゴヌクレオチド標識抗体の使用を推奨しています。詳細について確認したい場合は、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)は10x Genomics社のSingle Cell Gene Expression FLEX(固定細胞のRNAプロファイリングアッセイ)以外のアッセイにも適用することはできますか?

A:MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)は、生細胞サンプルを使用するアッセイでの検証を実施していません。本製品は10x Genomics社のChromium Single Cell Gene Expression Flexシステムに適合する試薬であり、本アッセイでは固定細胞をインプットサンプルとして使用します。

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)製品はTotalSeq™ 抗体(Biolegend社)と併用することはできますか?

A:MultiPro™ の5-CFLXオリゴヌクレオチドは、TotalSeq™ シリーズにおけるTotalSeq™-Cのオリゴヌクレオチドと類似していますが、MultiPro™ 製品とTotalSeq™ 抗体の併用については検証試験を実施していません。詳細について確認したい場合は、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までご相談ください。

 

次世代シーケンシングについて

Q:シーケンス時のラン設定を教えてください。

A:ライブラリー構築後、10x Genomics社のChromium Single Cell Gene Expression Flexライブラリーは、そのまますぐにシーケンスすることが可能です。シーケンスパラメーターは、解析に使用するCell Rangerのバージョンにより異なります。

Cell Ranger v8.0+ の場合

Read 1:28 cycles
Index 1:10 cycles
Index 2:10 cycles
Read 2:90 cycles

Cell Ranger v7.2 の場合

Read 1:48 cycles
Index 1:10 cycles
Index 2:10 cycles
Read 2:50 cycles

 

Q:MultiPro™(マルチプロ)製品を用いて調製されたタンパク質シーケンスライブラリーの場合、シーケンス深度はどの程度に設定すれば良いですか?

A:遺伝子発現ライブラリーのシーケンスに使用しているシーケンス深度に1細胞あたり5,000リードを追加して設定することを推奨しています。例えば、遺伝子発現ライブラリーを1細胞当たり10,000リードでシーケンシングしているのであれば、遺伝子発現ライブラリーと抗体ライブラリーを共にシーケンシングする際は1細胞当たり15,000リードに設定を変更してください。遺伝子発現ライブラリーと抗体ライブラリーを別々にシーケンシングする場合は1細胞当たり5,000リードでシーケンシングを実行してください。

 

解析について

Q:解析のために追加ファイルを用意する必要はありますか?

A:MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)には独自のFeature Barcode Reference fileがあります。このBarcode Reference fileを、10x Genomics社のCell Ranger(解析ソフトウェア)で解析する際のセットアップに使用します。MultiPro™ 免疫プロファイリング抗体カクテル(カタログ番号:G900004)用のファイルはこちらからダウンロード可能です[CSV]。

 

Q:10x Genomics社のCell Rangerで解析する場合のセットアップ方法を教えてください。

A:MultiPro™ を使用してCell Rangerでデータ解析する場合、バージョン7.2.0(v7.2.0)以上が必要です。現在、Cell Ranger v7.2.0は、ローカルインストールが必要なスタンドアローンパッケージとして提供されています。Cell Rangerのセットアップに関連する内容については、proteintech-jp@ptglab.co.jp(国内のお問い合わせ先、言語:日本語)またはgenomics.inquiries@ptglab.com(本国担当者への直通窓口、言語:英語)までお問い合わせください。

 

MultiProはProteintech Genomics社の商標、または登録商標です。
10x GenomicsおよびChromium、Feature Barcodeは10x Genomics社の商標、または登録商標です。
IlluminaはIllumina社の商標、または登録商標です。
BiolegendおよびTotalSeqはBiolegend社の商標、または登録商標です。