プロテインテックのラボノートをもとに製品個別プロトコールを提供しています。
様々なアプリケーションに対する各抗体とサンプルに特有のステップバイステップのプロトコールによって、最適な結果を得られるようにサポートいたします。
カタログに掲載した各抗体について、プロテインテックの社内検証時の条件を記載した詳細なプロトコールをアプリケーション別にご覧いただけます。各抗体で最適化したプロトコールを参照し、プロテインテック検証結果に対する再現性をご確認ください。
製品個別プロトコールの閲覧方法
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「サポート」メニューから「製品個別プロトコール」をクリックします。
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抗体の「製品名」または「カタログ番号」を検索バーに入力し「Search」をクリックします。
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お探しの抗体が表示されない場合は、検索結果下部に表示される「View More」をクリックするとさらに検索結果が表示されます。
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「Specific Protocols」列の各アプリケーション名をクリックし、製品個別プロトコールのPDFを表示させます。
各行の「View」をクリックして各抗体の製品ページに移動後、ページ内ナビゲーションの「Protocols」を選択しても、製品個別プロトコールのPDFをご覧いただけます。
注記:製品個別プロトコールを利用できない製品の場合は、検索結果に表示される「Standard protocols are also available」またはサポートメニューの「標準プロトコール」(本ページURLである「https://www.ptglab.co.jp/support/protocols/」がリンクされています)から目的のプロトコールをご参照ください。
はじめに
酵素免疫測定法(ELISA)は免疫学的手法として、試料中のタンパク質や抗体の存在を検出するために広く使用されています。例えば、抗体とウイルス抗原との相互作用の原理に基づき、HIVのスクリーニング検査に用いられます。ELISA法にはいくつかの種類があり、間接ELISA法、サンドイッチELISA法、競合ELISA法等が一般的に利用されます。3種類のELISA法はいずれも同様の手順を含みます。
1) 抗原や一次抗体、または抗原と一次抗体の複合体をプレート表面に結合させる。
2) 結合していない物質を洗浄する。
3) プレート表面上の露出部位をブロッキングする。
4) 検出抗体および/または酵素標識二次抗体を添加する。
5) 酵素と反応する基質を添加し発色させる。
ELISAの概要に関する資料と間接ELISA法の詳細プロトコールは、以下のPDFをダウンロードしてください。
はじめに
免疫組織化学(IHC)は、組織中の微細構造を維持した状態でタンパク質の可視化を可能にします。IHCは、分析される組織切片中のタンパク質の正確な位置や分布を示す際に有用です。こうした可視化により、例えば正常組織と病変組織の比較が可能になります。端的にIHC実験を説明すると、IHCでは抗体の結合箇所に目的の抗原が存在しています。その後、抗原と抗体の相互作用は、発色色素または蛍光色素を用いた検出系により可視化されます。
IHCのプロトコールには、抗体の特異的結合や標的タンパク質の可視化を最適化するために必要な多くの手順が含まれます。IHCのプロトコールには様々な変動要因が含まれるため、明瞭かつ特異的な染色条件を見出すことは容易ではない場合があります。
各プロトコール:
パラフィン包埋切片スライドを使用した免疫組織化学(IHC)
以下のプロトコールは、特に記載がない場合は室温で実施してください。
プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
1. 脱パラフィンと再水和
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スライドをキシレンに10分間浸漬する。新たに用意したキシレンでこの操作を繰り返す。(必要な場合は、新たに用意したキシレンで3回目の浸漬を繰り返す。)
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切片を100%、95%、80%、60%エタノールの順に連続して各5分間、浸漬して再水和を行う。
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切片を蒸留水で3分間×3回リンスする。
2. 抗原賦活化(オプション)
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切片を電子レンジ耐性容器へ入れ、Citrate buffer(クエン酸バッファー)またはTris-EDTA(TE)bufferに浸漬する。
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電子レンジ(中程度の出力)で10分間加熱する。
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スライドをCitrate bufferまたはTris-EDTA(TE)buffer中で35分間放冷する。
3. 抗体のインキュベーション
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スライドを1×TBSTで3分間×3回リンスする。
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スライドを3% H2O2水溶液(蒸留水で希釈)で10分間インキュベーションし、内在性ペルオキシダーゼのクエンチングを実施する。
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スライドを1×TBSTで3分間×3回、続いて蒸留水で3分間×3回リンスする。
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TBST bufferでブロッキング用5%正常血清溶液を調製する。正常血清は二次抗体の免疫動物と同一種の血清を使用する。切片を1時間ブロッキングする。(適切な血清を入手できない場合は、1×TBST bufferでブロッキング用5%BSA溶液を調製してもよい)
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切片を1×TBSTで希釈した一次抗体と1時間、または一晩(4℃)インキュベーションする(最適な抗体希釈倍率をあらかじめ予備実験で確認しておく)。陰性コントロールとして、各実験条件につき1枚のスライドで、一次抗体のインキュベーションステップを省略した操作を実施する。
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一次抗体インキュベーション後、スライドを1×TBSTで3分間×3回洗浄する。
4. シグナル検出
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十分量のペルオキシダーゼ標識ポリマーを添加し、30分間インキュベーションする。
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スライドを、1×TBSTで3分間×3回洗浄する。
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基質溶液1mLあたりLiquid DAB plus chromogenを1滴添加し直ちに混和し、必要量の基質溶液を調製する(用時調製)。
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慎重に基質溶液を添加し、褐色を呈するまで5~10分間インキュベーションする。
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十分な量の蒸留水で穏やかに切片を洗浄する。
5. ヘマトキシリン対比染色(オプション)
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核染色する場合、スライドをヘマトキシリンに3分間浸漬する。
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十分な量の蒸留水で穏やかに切片を洗浄する。
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スライドを1%HCl含有99%エタノール溶液に10秒浸漬し、直ちに蒸留水へ移す。
6. 脱水と封入
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60%、80%、95%、100%エタノールの順に各5分間、切片を浸漬する。
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スライドをキシレンに5分間浸漬する。新たに用意したキシレンでこの操作を繰り返す。
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十分な量の封入剤で切片を封入し、カバーガラスで覆う。
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換気の良い場所(例:ドラフトチャンバー)で風乾する。
溶液
Citrate buffer | For 1000 ml | 1x TBS | For 1000 ml |
10 mM Trisodium
citrate+2H₂O
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2.9 g | 20 mM Tris-base | 2.4 g |
1.9 mM Citric
acid+H₂O
|
0.4 g | 150 mM NaCl | 8.7 g |
Adjust pH to 6.0 | Adjust pH to 7.6 | ||
Add ddH₂O
to 1000 ml
|
Add ddH₂O
to 1000 ml
|
Tris-EDTA (TE) buffer | For 1000 ml | 1x TBST | For 1000 ml |
10 mM Tris-base | 1.21 g | 1x TBS | 999 ml |
1 mM EDTA C₁₀H₁₄N₂Na₂O₈ +2H₂O
|
0.372 g | Tween-20 | 1 ml |
Adjust pH to 9.0 | |||
Add ddH₂O to 1000 ml
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はじめに
免疫蛍光染色(IF)は、生物学的研究や臨床検査等に幅広く用いられる技術です。IFでは、特定の標的抗原を検出するために蛍光標識抗体を利用します。IFは、結果を視覚化して撮像できるため、非常にダイレクトな技術です。IFは、十分に確立されたツールですが、良好な結果を得るためには、様々な要因を考慮し最適化手順を実施する必要があります。
各プロトコール:
培養細胞の免疫染色
以下のプロトコールは、特に記載がない場合は室温で実施してください。最適な染色結果を得るため、インキュベーションはロータリーシェーカーでゆっくり振とうしながら実施してください(神経細胞等の繊細な細胞株は除く)。プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
1. 固定と透過処理
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培地を吸引除去し、ガラス製カバースリップ上で培養した細胞を1×PBSで軽く洗浄する。
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細胞を、新たに調製した4%パラホルムアルデヒド含有1×PBSで10分間固定する。
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カバースリップを1×PBSで3分間×3回洗浄する。
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1×PBSで調製した0.2% Triton X-100で5分間、透過処理する。カバースリップを1×PBSで3分間×3回洗浄する。
2. ブロッキング
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5%正常血清含有1×PBSのブロッキング溶液を調製する。二次抗体の免疫動物と同一種の血清を使用する(例:二次抗体がヤギ抗マウス抗体の場合、ブロッキングにはヤギ血清を選択する)。細胞をブロッキング溶液中で1時間インキュベーションする(適切な血清を入手できない場合は、1%BSA含有1×PBSを使用してもよい)。
3. 抗体のインキュベーション
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ブロッキング溶液を吸引除去し、antibody dilution bufferで希釈した一次抗体を添加する。カバースリップ1枚を、一次抗体を添加しないantibody dilution bufferのみでインキュベーションし、陰性コントロールとする。インキュベーション時間は、1時間(室温)、またはover night(4℃)で実施する。
注意:Over nightでインキュベーションする場合、カバースリップが乾燥しないようにすること。
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カバースリップを1×PBSで3分間×3回洗浄する。
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antibody dilution bufferで適量に希釈した蛍光標識二次抗体をカバースリップへ添加し、湿潤な暗所で1時間インキュベーションする。
注意:蛍光試薬を添加後、カバースリップをできるだけ暗所下でインキュベーション・洗浄・保管すること。
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カバースリップを1×PBSで3分間×3回洗浄する。
4. 封入と観察
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カバースリップを、スライドガラス上でHydromount(National Diagnostics社、カタログ番号:HS-106)を使用して封入する。核染色する場合は封入剤にDAPIを加えること。
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蛍光顕微鏡でスライドガラスを観察する。
溶液
1X PBS | In 1000 ml (final volume) |
10 mM Na₂HPO₄ | 1.42 g |
1.8 mM KH₂PO₄ | 0.24 g |
137 mM NaCl | 8 g |
2.7 mM KCl | 0.2 g |
Adjust to pH 7.4 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
Antibody dilution buffer | In 20 ml (final volume) |
1% BSA | 0.2g |
Add 1X PBS to 20ml |
はじめに
免疫沈降(IP)とは、アフィニティ精製技術です。IPでは担体に固定化した特異的抗体を使用して抗原を精製します。IPは、細胞や組織ライセート中のタンパク質を単離するための最も一般的な方法の1つです。
各プロトコール:
以下のステップは、氷上または4℃の低温室で実施し、できる限り試料を低温に維持してください。プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
サンプル調製
- 自身の試料に細胞溶解の標準プロトコールがあれば、その手順に従い細胞を溶解してもよい。プロテインテック推奨の細胞溶解のプロトコールについては、「ライセート調製」の項を参照すること。
Tip 1: 高濃度の界面活性剤は、免疫沈降(IP)を阻害します。できる限り少量のRIPA lysis bufferで細胞を溶解してから、1×PBS bufferで目的容量へ希釈してください。
Tip 2: 十分な量のライセートを用意してください。IPは一回の操作で全量1~3mgのタンパク質を使用します。1回のIPあたり、0.2~0.5mLのライセート(全量1~3mgのタンパク質を含有)の使用が推奨されます。Bradford法やBCA法等のタンパク質アッセイで、総タンパク質を定量してください。
Tip 3: lysate bufferには必ずプロテアーゼ阻害剤を添加してください。プロテアーゼ阻害剤の濃度は、ウェスタンブロット用のライセートを調製する際の、1.5~2倍にしてください。
ライセートのプレクリア処理(オプション):
- プロテインAセファロースビーズまたはプロテインGセファロースビーズ懸濁液の入った容器を穏やかにボルテックスして再懸濁する。ライセートの入ったマイクロチューブに、総タンパク質0.5~1mgにつき50%ビーズ懸濁液50μLを速やかに添加する。
Tip 4: ビーズ懸濁液をピペッティングしやすいように、鋭利な刃物でピペットチップの先端を45°の角度にカットします。なお、吸引力を維持するために、ピペットチップの先端のごく一部分だけをカットしてください。
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ローテーターを使用して、4℃で30分間インキュベーションする。
- 4℃、1000rpmで3分間遠心し、上清を新たに用意したチューブへ移す。
Tip 5: IgGを多く含有する組織を使用する際は、プロテインAセファロースビーズやプロテインGセファロースビーズでのプレクリア処理の実施を推奨します。
免疫沈降
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適切な分量の一次抗体(1~4μg)をライセート(またはプレクリア処理ライセート)に添加する。最適な抗体濃度は濃度を振って決定する。コントロールIgG(免疫動物を一次抗体と揃える)を使用した陰性コントロールを設定する。4℃で2~4時間、またはover nightで穏やかに回転させながらインキュベーションする。
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プロテインAセファロースビーズまたはプロテインGセファロースビーズ懸濁液を50μL添加し、免疫複合体を捕捉する。IP混合液を、4℃で1~4時間、穏やかに回転させながらインキュベーションする。
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IP混合液を4℃、1000rpmで、30秒間遠心し、上清を捨てる。
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ビーズにプロテアーゼ阻害剤含有1×TBST 1mLを添加し、4℃、1000rpmで30秒間遠心し上清を捨てる。この操作を3~4回繰り返し、洗浄する。最後の遠心後、チューブ内に約80μLの上清を残しておく(80μLを超える上清は吸引により捨てる)。
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5×SDS Sample buffer 20μLを添加し、穏やかに数秒間ボルテックスし、ペレットを再懸濁する。95~100℃で5分間加熱し、10000×g(回転半径9.5cmの場合約9700rpmに設定)で3分間遠心する。
ウェスタンブロット分析
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上清をSDS-PAGE用ゲル上へロードする。上清は新たに用意したラベル付きマイクロチューブへ移し、-80℃で保存し後日使用することが可能(専用キットを使用した場合、そのまま-80℃で保存可能)。
- SDS-PAGEにより免疫沈降サンプルを分離し、PVDF膜へ転写する。適切な抗体を使用して検出する。
Tip 6: ウェスタンブロットで免疫沈降したタンパク質を検出する場合、非特異的タンパク質(免疫沈降用抗体の重鎖や軽鎖等)をできる限り検出しないために、従来のHRP標識二次抗体の代わりに、HRP標識抗ウサギ軽鎖(L)抗体やHRP標識プロテインAを使用して一次抗体を検出します(プロテインAは変性した抗体よりも完全な抗体に対して高い親和性を示します)。
溶液
RIPA lysis buffer | For 1000 ml |
50 mM TrisHCl, pH 7.4 (1 M stock) | 50 ml |
150 mM NaCl | 8.76 g |
1% Triton X-100 | 10 ml |
0.5% Sodium Deoxylcholate | 5 g |
0.1 % SDS | 1 g |
10 mM NaF | 0.41 g |
1 mM EDTA (0.5 M stock) | 2 ml |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Adjust to pH 7.4 | |
Add PMSF to 1 mM and other protease inhibitors immediately prior to use. |
5X SDS sample buffer | |
250 mM Tris HCl (pH 7.0) (1M stock) | 12.5 ml |
35% Glycerol | 17.5 m |
10% SDS | 5 g |
0.02% Bromophenol Blue | 10 mg |
10% ß-mercaptoethanol | 5.0 ml |
Add ddH₂O to 50ml, aliquot and store at -20°C |
はじめに
ウェスタンブロットとは、細胞抽出物や組織ホモジネート中の特定のタンパク質を検出するための免疫ブロット法です。ウェスタンブロットは、目的タンパク質とそのタンパクに対して作製された抗体の特異的結合に基づきます。
各プロトコール:
以下のプロトコールは、特に記載がない場合は室温で実施してください。プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
SDS-PAGE
- 目的タンパク質の分子量(MW)に応じて、SDS-PAGE用ゲルを作製する(推奨ゲル濃度とゲル組成は本プロトコールの末尾に記載)。
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Tip 1:Tris-tricineゲルは、Tris-glycineゲルよりも低分子量のタンパク質(<20kDa)の分離が良好です。
ブログ:ヒントとコツ | 低分子量タンパク質のウェスタンブロット解析
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1試料あたりの総タンパク質量が30~50μgになるよう4×SDS sample bufferを添加する(Bradford法やBCA法等のタンパク質アッセイでタンパク質濃度を測定する)。
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マイクロチューブを軽くタッピングして混和した後、95~100℃で5分間加熱する。
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電気泳動装置を組み立て、1×running bufferに浸す。ゲルコームを取り除き、スタッキングゲルのウェルを洗浄する。
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ゲルローディングチップを使用して、試料とタンパク質マーカーをウェルへロードする。スタッキングゲルを通過中は電気泳動電源を80Vに設定し、泳動タンパク質の先端が分離ゲルに到達したら、設定を120Vに上げる。
Tip 3:最初に実験する場合は試料を多めに泳動し、目的のタンパク質が確認できた後に適宜泳動量を調整します。
タンパク質の転写
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転写にはPVDFメンブレンの使用を強く推奨する(目的タンパク質の分子量が<30kDaの場合は、孔径0.22μmのPSQメンブレンを推奨)。メンブレンをメタノールに30秒間浸漬し、transfer bufferに移す。ろ紙とスポンジも同様にtransfer bufferに浸漬する。
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「ウェスタンブロット完全ガイド」の7ページの図に従い、転写のセッティングを行う。どの層の間にも気泡が入らないよう注意すること。装置の取扱説明書に従い、セミドライ式ブロッティング装置またはウェット式ブロッティング装置でブロッティングを実施する。
Tip 4:目的タンパク質の分子量が100kDaより大きい場合は、セミドライ式の代わりにウェット式を採用し、4℃でovernightのブロッティングをおすすめします。その際、Wet transfer bufferに0.1% SDSを添加すると転写が促進されます。
イムノブロッティング
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転写終了後、メンブレンを蒸留水で2回洗浄し、鉛筆等を使用して分子量マーカーのバンドに印をつける。
必要な場合、メンブレンを市販のポンソーレッド染色液で1分間染色してタンパク質のバンドを可視化し、その後十分量の1×TBSTで洗浄する。 -
2~5% 脱脂粉乳含有1×TBST(リン酸化エピトープ抗体を使用する場合は1~5% BSA含有1×TBST)を使用し、室温で1時間、または4℃、overnightで振とうし、ブロッキングする。
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一次抗体を、まずは1:1000の倍率でblocking solutionで希釈する(最適な希釈倍率は実際に実験して検討すること)。メンブレンを、一次抗体希釈液に浸漬し、室温で1時間、または4℃、overnightでインキュベーションする。
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メンブレンを1×TBSTで10分間×3回洗浄する。
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希釈倍率1:5000~1:50000でblocking solutionを用いて希釈した適切なHRP標識二次抗体(一次抗体宿主動物の検出抗体)溶液にメンブレンを浸漬し、1時間、振とうしながらインキュベーションする。
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メンブレンを1×TBSTで10分間×3回洗浄する。
Tip 5:ブロッティング操作中は、メンブレンを乾燥させないでください。
Tip 6:長時間のインキュベーション時、一次抗体を添加したblocking solutionの安定性を保つために、0.02% NaN3を抗体希釈溶液に添加することが可能です。なお、二次抗体の希釈溶液には使用しないでください。
シグナル検出
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製品の取扱説明書に従い、ECL(電気化学発光)基質を調製する。
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メンブレンを基質溶液で1~5分間インキュベーションする(高感度ECL基質の場合は、インキュベーション時間を調整する。例:SuperSignal West Femto Chemiluminescent Substrate[Pierce])
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暗室でX線フィルムにメンブレンを露光する、または化学発光イメージング装置を使用してメンブレンを撮影する。
Tip 7:最適な露光時間を決定するために、複数の露光時間をお試しください。
蛍光マーカーでフィルムの方向がわかるよう目印をつける。現像後のフィルムをブロッティングした方向と同じ向きに並べ、直接フィルムに分子量マーカーのラダーの印をつける。泳動試料、露光時間、ECLの情報等を記載しておくこと。
溶液
4X SDS sample buffer | |
150 mM Tris•HCl (pH 7.0) (1M stock) | 15 ml |
25% Glycerol | 25 ml |
12% SDS | 12 g |
0.05% Bromophenol Blue | 0.05g |
6% β-mercaptoethanol
|
6 ml |
Add ddH₂O to 100ml, aliquot and store at -20°C |
1X TBST | |
20 mM Tris-base | 2.42 g |
150 mM NaCl | 8.76 g |
50 mM KCl | 3.73 g |
0.2% Tween-20 | 2 ml |
Adjust pH to 7.6 | |
Add ddH₂O to 1000ml |
Wet transfer buffer | |
25 mM Tris-base | 3.03 g |
192 mM Glycine | 14.4 g |
20% Methanol | 200 ml |
Add ddH₂O to 1000ml |
Semi-dry transfer buffer | |
48 mM Tris-base | 5.81 g |
39 mM Glycine | 2.93 g |
0.0375% SDS | 0.375 g |
20% Methanol | 200 ml |
Add ddH₂O to 1000ml |
SDS-PAGE用ゲルの組成について
目的タンパク質の分子量が20~200kDaの場合、下記の表に従いSDS-PAGE用ゲルを作製します。目的タンパク質の分子量を参考に、使用ゲルの濃度を選択してください。
Separating gel (ml, total 10 ml) | ||||
MW of target protein (kDa)
|
80-200 | 35-100 | 25-60 | 20-40 |
Gel percentage | 8% | 10% | 12% | 15% |
ddH₂O | 2.1 | 1.5 | 0.8 | 0 |
30% Acrylamide
|
2.7 | 3.3 | 4 | 5 |
2x Separating buffer
|
5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
10% APS | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
TEMED | 0.01 | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
Stacking gel (ml) | 4 ml | 6ml | 8ml |
MW of target protein (kDa)
|
- | - | - |
Gel percentage | 4% | 4% | 4% |
ddH₂O | 1.4 | 2.1 | 2.7 |
30% Acrylamide | 0.5 | 0.8 | 1.1 |
2x Stacking buffer | 2.0 | 3.0 | 4.0 |
10% APS | 0.04 | 0.06 | 0.08 |
TEMED | 0.004 | 0.006 | 0.008 |
2x Separating Buffer Recipe (makes 1000ml) | |
Tris HCl (pH 8.8) | 90.8 g |
SDS | 2.0 g |
Dissolve compounds thoroughly. Adjust pH slowly to pH 8.8 with concentrated HCl, then add ddH2O to 1000ml. |
2x Stacking Buffer Recipe (makes 1000ml) | |
Tris HCl (pH 6.8) | 30.35 g |
SDS | 2.0 g |
Dissolve compounds thoroughly. Adjust pH slowly to pH 6.8 with concentrated HCl, then add ddH2O to 1000ml.
|
1x Running Buffer Recipe (makes 1000ml) | |
Tris-base | 1.51 g |
Glycine | 7.5 g |
SDS | 0.5 g |
Dissolve compounds thoroughly, then add ddH₂O to 1000 ml. |
Tricineゲルの組成について
目的タンパク質の分子量が20kDaより小さい場合、Tricineゲル系で泳動すると良好な分離が得られるため、Tricineゲルの使用を推奨します。下記表と「ウエスタンブロット完全ガイド」16ページの図に従い、3種類のTricineゲルを作製します。Tricineゲル専用に作製したrunning bufferを使用して泳動し、転写は通常のプロトコールに従い実施してください。
Reagents | Stacking | Intermediate | Separating |
Gel percentage | 4% | 10% | 15% |
Gel volume | 2ml | 3ml | 6ml |
38% Glycerol | - | - | 1.6 |
ddH₂O | 1.4 | 1.2 | - |
30% Acrylamide | 0.3 | 0.8 | 2.7 |
3.0 M Tris HCl (pH 8.5)
|
- | 1 | 2.14 |
1.0 M Tris HCl (pH 6.8)
|
0.3 | - | - |
10% SDS | 0.02 | 0.03 | 0.06 |
10% APS | 0.02 | 0.03 | 0.06 |
TEMED | 0.002 | 0.003 | 0.003 |
1xTris-Tricine running buffer (makes 1000ml) | |
Tris | 12.1 g |
Tricine | 17.9 g |
SDS | 1 g |
Dissolve compounds thoroughly, then add ddH₂O to 1000 ml. |
はじめに
抗体精製は、抗原が結合したセファロースを使用して実施され、抗原に結合する特異的抗体のみを血清試料から精製するために行われます。
各プロトコール:
タンパク質架橋セファロースによる抗体のアフィニティ精製
アフィニティ担体の調製(セファロース担体へのタンパク質の結合):
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Coupling buffer中の融合タンパク質1mgをovernight(4℃)で透析する。
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タンパク質とのカップリングに必要な臭化シアン(CNBr)活性化セファロース 4Bの量を計算する。通常、CNBr 活性化セファロース 4B (凍結乾燥粉末)1gからは活性化セファロースビーズ3.5mLを得ることができる。活性化セファロースビーズ1mLは、およそ5~10㎎のタンパク質を結合する。
-
セファロースビーズを冷 1 mM HCl 20~50mL中で、4℃、15分間、活性化する。
-
ビーズを1mM HClで洗浄する。通常、セファロースビーズ1gに対して、HCl溶液200mLを使用して洗浄する。
-
計算して求めた分量の活性化セファロースビーズと、透析した融合タンパク質を、2時間(室温)、またはovernight(4℃)でインキュベーションする。
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タンパク質架橋セファロースビーズを、coupling buffer 15mLで洗浄する。
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0.1M Tris-HCl buffer(pH8.0)5mL、または1Mエタノールアミン溶液5mLを添加し、2時間(室温)、またはovernight(4℃)でインキュベーションし、未架橋基をブロックする。
タンパク質架橋セファロースビーズによる抗血清の精製:
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ビーズを、酸性bufferおよびアルカリ性bufferで交互に各3回以上洗浄する(0.1M Acetic/Sodium Acetate、0.5M NaCl溶液(pH4.0)、および0.1M Tris-HCl、0.5M NaCl溶液(pH8.0))。
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ビーズに血清を添加し、1~2時間(室温)、またはovernight(4℃)でインキュベーションする。
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精製カラムからのフロースルー画分を回収しELISAに供するために保存する。
-
ビーズをPBS buffer 10mLで3回洗浄する。
-
カラムを150mM NaCl-HCl溶液(pH5.0)10mLで洗浄する。
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抗体を、elution buffer 6mLで溶出し、溶出液を飽和phosphate bufferで中和する。通常、室温によるが、飽和phosphate buffer 50~100μLでelution buffer 1mLを中和する。
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短期間保存する場合、抗体回収溶液を4℃で保存する。長期間保存する場合は、抗体回収溶液を0.02%アジ化ナトリウム含有50%グリセロール溶液となるよう調製し、-20℃で保存する。
ビーズの洗浄と再利用:
-
ビーズを0.01M Tris-HCl buffer(pH7.0)15mLで3回洗浄する。
-
ビーズを、PBS buffer 10mLで3回洗浄する。
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ビーズにPBS 2mLと0.02%アジ化ナトリウムと共にグリセロール 3mLを添加し、使用するまで-20℃で保存する。
buffer:
Coupling Buffer | 1000 ml |
100 mM NaHCO₃ | 8.40 g |
500 mM NaCl | 29.2 g |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Adjust to pH 8.3 |
PBS Buffer | 1000 ml |
10 mM Na₂HPO₄ |
1.42 g
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1.8 mM KH₂PO₄ | 0.24 g |
137 mM NaCl | 8 g |
2.7 mM KCl | 0.2 g |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Adjust to pH 7.4 |
Elution Buffer | 1000 ml |
150 mM NaCl | 8.8 g |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Use HCl to adjust to pH 2.5 |
Saturated Phosphate Buffer |
Add Na₂HPO₄ to PBS buffer until saturation |
抗体精製に関する資料と詳細プロトコールは、以下のPDFをダウンロードしてください。
はじめに
フローサイトメトリーは、単一細胞のいくつかの物理的特性の測定および解析に利用される技術です。細胞は、流路系でレーザー光ビームを通過しながら流れていきます。フローサイトメトリーの技術を利用すると、細胞の大きさ、細胞の性状、複合的な性質、相対蛍光強度等の細胞特性を得ることができます。
各プロトコール:
細胞内染色および細胞膜染色フローサイトメトリープロトコール
細胞の固定(膜タンパク質を染色する場合):
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細胞を1×PBS bufferに懸濁して350~500×gで5分間遠心し、洗浄する。この操作を計2回繰り返す。上清を捨てる。
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細胞に1×PBS buffer 1mLを添加し、軽く再懸濁する。
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終濃度が4%となるようホルムアルデヒド(またはパラホルムアルデヒド)を添加し、室温で20分間、細胞を固定する。
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細胞を1×PBS bufferに懸濁して350~500×gで5分間遠心し、洗浄する。この操作を計3回繰り返す。
細胞の固定と透過処理(細胞内タンパク質を染色する場合):
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あらかじめ氷冷した細胞に、冷100%メタノールを終濃度が90%メタノール溶液となるように徐々に添加し、氷上で30分間インキュベーションする。
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代替法として以下の操作を実施してもよい。細胞を、終濃度が4%ホルムアルデヒド(またはパラホルムアルデヒド)含有溶液となるよう懸濁して、室温で20分間固定する。続いて細胞を0.1% Triton X-100含有1×PBSに懸濁して、室温で15分間インキュベーションする。
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細胞を1×PBS bufferに懸濁して350~500×gで5分間遠心し、洗浄する。この操作を計3回繰り返す。
免疫染色:
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ブロッキング:細胞をblocking buffer 3mLに懸濁して、室温で1時間インキュベーションする。
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適切に希釈した一次抗体を添加し、室温で15~45分間インキュベーションする。
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細胞を1×PBS bufferに懸濁して350~500×gで5分間遠心し、洗浄する。この操作を計3回繰り返す。
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細胞に、希釈した二次抗体(FITC標識二次抗体やその他蛍光標識二次抗体)を添加し、室温で45分間インキュベーションする。
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細胞を1×PBS bufferに懸濁して350~500×gで5分間遠心し、洗浄する。この操作を計3回繰り返す。
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細胞を1×PBS buffer 0.5mLに再懸濁し、フローサイトメーターで解析する。DNA染色をする場合、細胞をDNA染色剤0.5mLに懸濁して室温で5分間以上インキュベーションした後、フローサイトメーターで解析する。
buffer:
Blocking Buffer | 1000 ml |
Bovine serum albumin | 5.00 g |
1x PBS buffer | 1000 ml |
PBS Buffer | 1000 ml |
10 mM Na₂HPO₄ | 1.42 g |
1.8 mM KH₂PO₄ | 0.24 g |
137 mM NaCl | 8 g |
2.7 mM KCl | 0.2 g |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Adjust to pH 7.4 |
はじめに
細胞溶解とは、細胞膜を破壊して、細胞の不溶性画分からタンパク質を分離する操作のことです。lysate bufferには、可溶性タンパク質を溶出させる様々な界面活性剤(Triton-X、Tween、SDS、CHAPS)が含まれます。目的タンパク質の局在に応じて異なるlysate bufferを使用することで、収量と純度の高いタンパク質を抽出することができます。
細胞ライセート・組織ライセートの調製
プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
培養細胞:
あらかじめ、遠心機を4℃に冷却する。培養細胞を4℃、1000×g(約2000rpm)で5分間遠心し、ペレット化する。氷冷した1×PBSでペレットを3回洗浄し、冷却したプロテアーゼ阻害剤含有RIPA bufferを添加する。通常、ペレット中の細胞106個に対してRIPA buffer 100µLを添加する(細胞数を遠心前に計測しておく)。高いタンパク質濃度を必要とする場合は、RIPA bufferの添加量を適宜減らす。ボルテックスで混合後、時々ボルテックスしながら氷上で30分間静置する。
組織:
目的組織を摘出し、必要な場合は冷却した1×PBSで短時間洗浄して血液を除去する。氷上で組織を小さく細断する。組織をホモジナイザー用の容器に移し、プロテアーゼ阻害剤含有RIPA bufferを添加する。通常、組織約10mgに対し、500µLのRIPA bufferを添加する。試料を完全にホモジナイズして、時々ボルテックスしながら氷上で30分間静置する。
Tip 1:リン酸化タンパク質を抽出する場合、lysis bufferにホスファターゼ阻害剤を添加します。
溶解と保存:
試料を超音波処理して細胞や組織をさらに破壊し、DNAをせん断する。超音波処理時間は試料の種類により調節する。細胞ライセートでは1分間、組織ライセートでは2~5分間、約180Wで超音波処理する(10秒間超音波照射・10秒間停止を1サイクルとする)。超音波処理中は試料を氷上で取り扱う。
Tip 2:DNAの分解を目的とするDNaseの添加は、酵素由来のタンパク質のコンタミネーションが生じるため、推奨していません。
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試料を、4℃で、10000×g(回転半径9.5cmの場合約9700rpmに設定)、20分間遠心し、細胞の残渣をペレット化し、ペレットを吸い込まないように注意しながら、上清を新たに用意したマイクロチューブに移す。
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Bradford法やBCA法等のタンパク質アッセイでライセート中のタンパク質濃度を測定する。
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試料は-80℃で長期保存するか、直ちにウェスタンブロットや免疫沈降の実験に使用する。
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ウェスタンブロットの場合、終濃度が1×となるように4×SDS sample bufferを試料に添加して混和する。
混和した試料を95℃で5分間加熱し、SDS-PAGE用ゲルへロードする。
溶液
1X PBS | For 1000 ml |
10 mM Na₂HPO₄ | 1.42 g |
1.8 mM KH₂PO₄ | 0.24 g |
137 mM NaCl | 8 g |
2.7 mM KCl | 0.2 g |
Adjust pH to 7.4 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
RIPA buffer | For 1000 ml |
50 mM Tris•HCl, pH 7.4 | 50 ml |
150 mM NaCl | 8.76 g |
1% Triton X-100 or NP-40 | 10 ml |
0.5% Sodium deoxylcholate | 5 g |
0.1 % SDS | 1 g |
1 mM EDTA (0.5 M stock) | 2 ml |
10 mM NaF | 0.42 g |
Add ddH₂O to 1000 ml | |
Add PMSF to a final concentration of 1 mM and any other protease inhibitors
immediately before use.
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4X SDS sample buffer | For 1000 ml |
12% SDS | 120 g |
25% Glycerol | 250 ml |
150 mM Tris•HCl (pH 7.0•1M stock) | 150 ml |
0.03% Bromophenol Blue | 300 mg |
20% β-mercaptoethanol
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200 ml |
Add ddH₂O to 50 ml, aliquot and store at -20°C | |
20% β -mercaptoethanol, (or 500 mM DTT replaced), should be added freshly before use.
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はじめに
封入体とは、タンパク質の凝集体のことです。この封入体は細胞質中や核内に認められます。遠心分離、抽出、洗浄等の操作により、封入体を細胞ライセートから回収することが可能です。
各プロトコール:
封入体からのタンパク質精製
プロトコール中で太字になっている箇所の組成は、プロトコールの最後に記載してあります。
a. 細胞ペレット(培地1L中で培養したもの)を、PBST buffer 30~35mLに懸濁する。
b. 細胞を氷水中で、200W、6分間超音波処理する。
c. 細胞ライセートを、4℃、8000rpmで約13分間遠心し、上清を捨てる。
d. ペレットをTNMFX-2M Urea buffer 5mLに再懸濁し、10mL遠心チューブに移す。
e. 懸濁液を氷水中で、200W、1分間超音波処理する。
f. 懸濁液にTNMFX-2M Urea buffer 5mLを追加で添加し、4℃で30分間旋回振とうする。
g. 4℃、4000rpmで20分間遠心し、上清を捨てる。
h. d~gの操作を繰り返す。
i. TNMFX-0.1% Triton X-100 5mLに再懸濁する。
j. 懸濁液を氷水中で、200W、1分間超音波処理する。
k. 懸濁液にTNMFX-0.1% Triton X-100 5mLを追加で添加し、4℃で30分間旋回振とうする。
l. 4℃、4000rpmで20分間遠心し、上清を捨てる。
m. i~lの操作を繰り返す。
n. ペレットを2倍容量の蒸留水でボルテックスして洗浄し、1000rpmで2分間遠心し、上清を捨てる。
o. 上清が澄明になるまで洗浄操作を繰り返し、ペレットを回収する。
p. 目的のアプリケーションに応じた溶媒にタンパク質を溶解する。
-免疫する場合、1.5倍容量の8M Urea(pH8.0)に溶解する。
-抗体を精製する場合、2倍容量のPBS with 2% Sarkosylを添加し、4℃、overnightでインキュベーションする。その後、1000rpmで7分間遠心し上清を回収する。
溶液
TNMFX-2M Urea | For 1000 ml |
50 mM Tris-base | 6.06 g |
150 mM NaCl | 8.77 g |
1 mM EDTA | 0.37 g |
2 M Urea | 120.20 g |
Adjust to pH 8.0 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
PBST buffer |
For 1000 ml
|
58 mM Na₂HPO₄・12H₂O | 20.77 g |
17 mM NaH₂PO₄・2H₂O | 2.65 g |
68 mM NaCl | 3.98 g |
1%Triton-X100 | 10 ml |
Adjust to pH 7.4 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
TNMFX-0.1% Triton X100 | For 1000 ml |
50 mM Tris | 6.06 g |
150 mM NaCl | 8.8 g |
1 mM EDTA | 0.4 g |
0.1% Triton-X100 | 1 ml |
Adjust to pH 8.0 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
PBS with 2% Sarkosyl | For 1000 ml |
58 mM Na₂HPO₄・12H₂O | 20.77 g |
17 mM NaH₂PO₄・2H₂O | 2.65 g |
68 mM NaCl | 3.98 g |
2% Sarkosyl | 20 .00 g |
Adjust to pH 8.0 | |
Add ddH₂O to 1000 ml |
8 M Urea | For 200 ml |
Urea | 96.08 g |
Adjust to pH 8.0 | |
Add ddH₂O to 200 ml |