学会を活用して人脈構築を成功させる8つのヒント

学会で有意義な人脈を構築するためのポイントを解説します。


研究者の皆さんは、とにかく人とのつながりを大切にしましょう。これは誰もが一度は忠告されることではありますが、必ずしもその方法まで伝授されるわけではありません。学会は研究者が知識を共有し専門家同士の人脈(ネットワーキング)を構築するための絶好の機会です。学会での研究者同士の交流は、共同研究、研究費獲得、キャリアアップ等の多くの可能性を切り拓くことができる重要な側面を持ちます。本稿で紹介する8つのヒントを参考に、次回の学会では人脈作りの達人のごとく振る舞い、有意義な時間を過ごしましょう。

  1. どのような出会いを求めているのかを明確にする
  2. 会ってみたい人物を絞り込み、コンタクトを試みる
  3. 過去の人脈を利用する
  4. ちょっとした雑談を交わす
  5. ポスター発表を活用する
  6. 学会が主催するイベントに足を運ぶ
  7. フォローアップ
  8. ソーシャルメディアで継続的に交流を図る

 

ネットワーキング概要図

1. どのような出会いを求めているのかを明確にする

学会に参加する前に、達成したい目標について考える時間を確保しましょう。人脈形成を通じて何を実現したいのでしょうか?もし共同研究のパートナーを探している段階であれば、相手に求める資質や、どのような技術に強みのある共同研究者を必要としているのかを整理しておきましょう。求職やキャリア形成を見据えて人脈を構築したい場合は、どのような企業や職種で働きたいか考えてみましょう。目的が明確であれば注力すべき対象が絞られ、より生産的に人脈構築を試みることができます。

 

2. 会ってみたい人物を絞り込み、コンタクトを試みる

人脈構築の目標を明確にした後は、直接話を聞いてみたい研究者を具体的に絞り込みましょう。学会プログラムを確認し、基調講演者やその他の発表者を調べましょう。同じ研究分野に興味があると思われる研究者を探すには、ポスター発表の要旨を活用します。一般的には、もっと情報を知りたいと思える、同じような研究目標を掲げる研究者やその分野の第一人者、あるいは将来就きたいポジションを既に得ている研究者を探すことが望ましいでしょう。質の高い対話につなげる糸口となるため、興味を持った研究者やその業績は必ず調査しましょう。学会の前にSNSやメール等の手段でコンタクトを取ることについて、過度に慎重になる必要はありません。彼らの業績への興味を表明し、カジュアルなコーヒーブレイクを兼ねた情報交換等を提案して、学会開催中の面会を打診してみましょう。このように事前に連絡を取っておけば、学会期間中の時間を有効活用し、貴重な機会を逃さずに済むでしょう。

 

3. 過去の人脈を利用する

人脈構築は新たなつながりだけに限定されるものではありません。既に構築した人脈を豊かにすることも含まれます。過去に学会やワークショップへの参加を経験している場合は、その時のつながりを活かしましょう。他のイベントで交流したことのある研究者にアプローチを試み、開催予定の学会に参加する旨を連絡してみましょう。知人を紹介してもらえたり、同じような研究に興味を持っている研究者を紹介してもらえる可能性があります。多くの場合、自身の交流関係はこれまでのつながりを介して拡がっていくことを心に留めておきましょう。

 

4. ちょっとした雑談を交わす

概して、科学系の学会では最先端の研究や技術が話題の中心になりますが、その他のトピックも織り交ぜて自分らしさを表現することも大切です。趣味や共通の興味がある事柄、現地の観光名所といった話題に触れることで、相手との距離が縮まるとともに印象に残りやすくなります。多くの場合、参加者は何十人もの人々と交流するので、他の人とは少し違うカジュアルなやりとりを交わすことが顔を覚えてもらうきっかけになります。

 

5. ポスター発表を活用する

特に若手研究者にとって、ポスター発表は研究者としてのネットワークを構築する絶好の機会です。ポスター発表は研究成果を披露する場であり、同じ研究テーマに関心を寄せる研究者が自然と足を止めてくれます。研究内容を簡潔に説明できるように準備を整え、立ち寄ってくれた参加者とディスカッションしてみましょう。キャリア形成を支援してくれる人物や、共同研究のパートナー候補となり得る人物と出会えるチャンスに備え、レジュメを手元に用意しておきましょう。もちろん、自身の研究に近い内容や、興味を惹かれるテーマのポスター発表に足を運ぶ時間も確保しましょう。ポスター発表は研究者同士の対話を促進するために設けられた、学会において自然と交流を深められる場といえます。

 

6. 学会が主催するイベントに足を運ぶ

学会が企画するイベントや交流レセプションに参加しましょう。知的刺激に満ちた最新研究をインプットした1日の締め括りとして催されるこのようなイベントは、打ち解けた格式張らない雰囲気の中で他の参加者と交流できる場を提供します。こうした懇親会では積極的に会話のきっかけを作り、互いに連絡先を交換できる関係を築きましょう。このような場での交流は、日中の慌ただしいスケジュールに忙殺されて記憶から抜けてしまう心配が少なく印象に残りやすいという効果も期待できます。

 

7. フォローアップ

学会期間中の交流をすべて正確に記憶しておくことは困難です。したがって、今後も交流を深めたい相手に対しては、必ずフォローアップの連絡を入れましょう。学会終了後、1週間以内を目標にフォローアップの連絡をするよう心がけましょう。SNSやメール等でコンタクトを取り、会期中に面会できたことへの感謝を表明し、共同研究や今後の議論等についての前向きな意欲を再度伝えましょう。会期中の会話の具体的な内容に言及し、相手の発言に真摯に耳を傾け、強く興味を抱いていたことを示しましょう。充実した人脈を構築するには、最初のフォローアップとその後の継続的な交流が何よりも重要です。

 

8. ソーシャルメディアで継続的に交流を図る

昨今のデジタル化社会において、LinkedIn、X(旧Twitter)、ResearchGate等のソーシャルメディアは、研究者同士の交流を継続するうえで極めて有用なツールです。学会終了後は、新たに面識を得た研究者にこれらのプラットフォームを通じて連絡し、交流を継続できるように努めましょう。多くの場合、メールをゼロから作成するよりも心理的なハードルが低く、チャット機能を利用して気兼ねなく連絡を取り合えます。関連する研究の最新情報をシェアしたり、相手のコンテンツにコメントや好意的なリアクションを残して、積極的に関わるよう心がけましょう。お互いの研究活動を日常的に共有できるため、共同研究のチャンスを見極めるうえでも非常に役立ちます。

 

学会での人脈構築は、キャリア形成や共同研究を実現するうえで極めて重要な鍵となります。次に学会に参加する際は本稿で紹介したポイントに留意し、貴重な機会を最大限に活用しましょう。

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