特集 : アクチビンA
組換えヒトタンパク質アクチビンA:TGFβファミリーの第1メンバー
生命をよく表す特徴の1つは、生殖能です。ヒトの場合、生殖装置の構築と維持に主要な役割を果たすのはアクチビンAです。これはヘテロ二量体タンパク質で、TGFβファミリーのメンバーです(図1)。アクチビンAは、パラクリン機構およびオートクリン機構で作用し、その同種受容体に結合して、Smad経路を介して下流へ効果を発揮します(図2)。アクチビンAは、生殖に加えて、膵島の調節と免疫応答にも関与することが示されています。再生医療では、in vitroで幹細胞の多能性と自己複製を維持するために使用されています(1, 2)。
プロテインテックのHumankine®アクチビンA
プロテインテックのHumankine®アクチビンAは、HEK293ヒト細胞から作製され、優れた安定性と活性に加え、確実なグリコシル化とフォールディングを実現します。
製品名 | カタログ番号 | ED50 | 純度 |
Activin A | HZ-1138 | 0.5 - 3.5 ng/mL | >95% |
アクチビンAの発見
アクチビンAの発見は、2つのグループにより、Nature誌の連続する論文で発表されました(3, 4)。どちらの論文でも、ブタ卵胞液の精製抽出物を使用してアクチビンAを同定しました。アクチビンA含有抽出物がラット下垂体前葉細胞からの卵胞刺激ホルモンの放出を刺激することが確認され、同抽出物の生化学的特徴が明らかにされました。その後の研究で、アクチビンAが生殖に不可欠な役割を果たすことが分かりました。アクチビンAは女性の生殖能力に重要であり、発生と黄体退縮に関与します(5)。男性の場合、アクチビンAの欠乏は、精巣のサイズと機能に影響を及ぼします(6)。アクチビンAの変異は、生殖器癌にも関連しています(7)。
近年の文献ではアクチビンAへの関心が高まっています。最近アクチビンAは、腎臓損傷の有望なバイオマーカーとして認められ(8)、肺癌(9)および乳癌(10)との関連も示されました。アクチビンAの科学的物語は生殖から始まったと言えるかもしれませんが、まだまだ長い続きがあります。
図1 | 図2 |
図1 成熟アクチビンAダイマーの形成を示す、CHO細胞由来とHumankine®システム由来の精製アクチビンAのクマシーブルーで染色したSDS-PAGEゲル。 |
図2 Humankine®アクチビンAの活性は、Promega CellTiter96®水溶性非放射性細胞増殖アッセイを使用して、MPC11細胞株(マウス形質細胞腫細胞株)の増殖の用量依存的阻害によって測定した。 |
図3 | |
図3 グリカン組成の有意差を示す、ヒト細胞発現体(ヒューマンザイム)とCHO EPOのグリコシル化のHPLCによる比較。フェチュイン(Fetuin)を陽性対照として使用した。 |
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