特集 : CAS9 / CRISPR

ゲノム編集の画期的ツールCRISPR / CAS9 システムで使用されるCAS9タンパク質を認識します。


Cas9 (CRISPR associated protein 9) は、CRISPR (clustered regularly interspaced short palindromic repeats) と一緒に機能するRNA誘導DNA切断酵素 (エンドヌクレアーゼ) です。CRISPRは、原核生物がウイルス等から防御するための適応免疫機構として発見されました。

抗体名 抗体タイプ カタログ番号 アプリケーション
Cas9 ウサギポリクローナル 26758-1-AP ELISA, WB
Cas9 抗体をみる
Cas9  
Cas9抗体のウェスタンブロット検証

リコンビナントタンパク質をSDS-PAGE後、Cas9抗体 (カタログ番号: 26758-1-AP, 希釈倍率 1:3000) を用いてウェスタンブロットを行った。

Cas9 および CRISPR

CRISPR システムは、RNA誘導型DNA切断酵素 Cas9 に焦点をあてたゲノム編集技術に利用され、数年で数百もの文献で使用されています。Cas9は、ゲノムの特定領域に誘導されることで、その領域のゲノムを編集します。Cas9は、タンパク質、RNA、またはDNAを結合させることによって、多様な細胞機能および行動を制御することが期待されるため、今後、合成生物学で注目のツールです。

CRISPR について

CRISPRシステムの主な構成要素です。

  • Cas9
  • ガイドRNA (gRNA : Guide RNA)

ガイドRNA (gRNA) は、Cas9に結合する非常に短い合成RNAであり、編集する特定のゲノム対象を標的化します。gRNA を変更することで、標的化する領域を容易に変更することができます。gRNAの設計は非常に単純で、CRISPRシステムはゲノム編集の強力なツールとなりました。現在では、CRISPR 技術はノックアウト実験だけではなく、Cas9を改変することで、対象とする標的遺伝子の選択的抑制または活性化にも利用されます。

参考文献 : Cas9 / CRISPR

Yu, X. et al. Biotechnol Lett. 2016 Jun; 38: 919–29.

Shin, S. et al. Sci Rep. 2016 Jun 13;6: 27810.

Lander, Es. et al. Cell. 2016 Jan 14; 164: 18–28.