特集 : イオン恒常性(ホメオスタシス)

イオン恒常性:マーカーと関連抗体

イオン恒常性:マーカーと関連抗体

はじめに

カルシウムイオン恒常性

リガンド依存性イオンチャンネル

電依存性チャンネル

環状ヌクレオチド依存性イオンチャネル

その他多様なイオンチャンネル

はじめに - イオン恒常性

イオンチャネルは、全ての細胞の膜に存在する孔形成膜タンパク質です。イオンチャネルの主要機能は、細胞膜横断イオン勾配の維持、活動電位その他電気信号の形成、分泌細胞および上皮細胞横断イオン流動の制御、ならびに細胞容積の調節です。イオンチャネルは、生理および各種生物学的プロセス(神経シグナル伝達、筋収縮、T細胞活性化等)に重要な役割を果たします。イオンチャネルの機能異常はいくつかの疾患の原因となり、嚢胞性線維症や神経系の機能異常(これらはごくわずかな例にすぎません)に至ることがあります。イオンチャネルは、将来の薬物療法の大きな機会となります。したがって、抗体による特異的・選択的ターゲティングが、それらの複雑な性質と機能の理解に不可欠です。

カルシウムイオン恒常性

カルシウムチャネルは、細胞膜の脱分極に応答してカルシウムイオンの通過を可能にします。カルシウムが蓄積すると、筋収縮の調節、神経伝達物質またはホルモンの放出の誘発、細胞内シグナル伝達経路の調節、および他のいくつかのカルシウム依存性細胞機能に影響を及ぼすことが可能になります。カルシウムチャネルは、いくつかの疾患(心血管系または神経系に関連するものなど)で重要な役割を果たします。

Stanniocalcin 2
カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  文献数
10314-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IF, IHC, WB 4 文献

スタニオカルシン(STC:Stanniocalcin)は、魚類の内分泌腺であるスタニウス小体で最初に発見された、分泌糖タンパク質ホルモンのファミリーです。STCファミリーの2つのホモログであるSTC1とSTC2は、カルシウムとリン酸の恒常性に関与すると報告されています。STCは、腎臓、脾臓、心臓、膵臓など、様々な組織で発現しています。このタンパク質は、腎臓と腸におけるカルシウムとリン酸の輸送、細胞代謝、または細胞のカルシウム/リン酸恒常性の調節に関与する可能性があります。STC2の過剰発現は、前立腺癌、卵巣癌、または神経芽細胞腫において腫瘍細胞の増殖、浸潤、および転移を促進する可能性があります。STC2は、ER(小胞体)ストレスや低酸素曝露時の細胞保護作用にも不可欠です。

 

スタンニオカルシン2抗体(カタログ番号:10314-1-AP、希釈倍率:1:50)を使用したパラフィン包埋ヒト腎臓の免疫組織化学染色(10倍対物レンズ)。

関連製品
抗体名 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  文献数
ATP1A1 14418-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, IP, WB 7 文献
ATP1A1-Specific 55187-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IF, IHC, WB 2 文献
ATP1A2 16836-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IF, IHC, WB 3 文献
ATP1A2-Specific 55179-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP, IHC  
SERCA3 13619-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP, IHC  
ATP12A 13231-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB  
Calbindin-D28k 14479-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IF, IHC, IP, WB KD/KO 検証済み
Calretinin 12278-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IHC  
HRC 18142-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IF  

リガンド依存性イオンチャネル

リガンド依存性イオンチャネルは細胞膜に存在します。それらは、リガンド結合後に開口してイオンを通過させます。リガンドが結合すると、チャネルに構造変化が起こり、その透過性が変化します。チャネルの開口が可能になり、イオンが通過できるようになります。

 
関連製品
抗体名 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
GLRA1 17951-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, FC
GLRA2 13831-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IHC
GLRA3 13145-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB
GLRB 15371-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB
ITPR1-Specific 19962-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IHC, IP, WB
P2RX4 13534-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP, IHC, IF, FC
P2RX5 19012-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IF, FC
Ryanodine Receptor 2 19765-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, WB
SHROOM1 18218-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB
P2RX7
カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  文献数
11144-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IF, IHC  4 文献

P2受容体は細胞表面受容体のファミリーであり、細胞外ヌクレオチドに応答して様々な生理的効果を媒介します。これらの受容体は2つのクラスに分類されます。一つは、ATPに応答してカルシウムとカリウムの流動を媒介するリガンド依存性イオンチャネルであるP2X受容体、もう一つは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)であるP2Y受容体です。

P2RX7はリガンド依存性イオンチャネルとして機能し、大きな分子が透過できる膜孔を形成することによって、マクロファージのATP依存性溶解に寄与します。P2RX7は、造血系細胞で高発現しており、細胞死、感染性生物に対する傷害作用、および炎症反応の調節を仲介することができます。

 

P2RX7抗体(カタログ番号:11144-1-AP、希釈倍率:1:50)を使用したパラフィン包埋ヒト前立腺癌の免疫組織化学染色(10倍対物レンズ)。

電位依存性イオンチャネル

電位依存性イオンチャネル(VDAC)は、Na+、K+、Ca2+、またはCl–に対して選択的に開口し、そのうち電位依存性K+チャネルが最も多様なサブタイプを示します。膜横断電圧の変化によってチャネルの開閉が可能になります。VDACはすべてのニューロン—特に、活動電位の生成とニューロン間のシグナル伝達に基本的な役割を果たす、軸索に沿ったナトリウムおよびカリウムチャネル—に存在します。

 
関連製品
抗体名 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  論文数
TRPA1 19124-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, WB  
VDAC1 55259-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IHC, IP, WB KD/KO 検証済み
VDAC2 11663-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, IP, WB 6 文献
VDAC3 14451-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, WB 3 文献
VDAC1/Porin
カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  
10866-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IF, IHC, IP, WB KD/KO 検証済み
DAC1(別称:VDAC、ポリン31HM、ポリン31HL、原形質膜ポリン)は、真核生物ミトコンドリアポリンファミリーに属します。膜電位が低い、またはゼロの場合は開型コンホメーションを、電位が30〜40 mVを超えると閉型コンホメーションを採り、その結果、ミトコンドリア外膜と原形質膜を貫通するチャネルを形成します。他の膜輸送タンパク質とは異なり、ポリンは受動拡散を可能にするのに十分な大きさを持ちます。31kdの膜タンパク質で、チンパンジー、イヌ、ウシ、マウス、ラット、ニワトリ、およびゼブラフィッシュで保存されています。

VDAC1/ポリン抗体(カタログ番号:10866-1-AP、希釈倍率:1:50)を使用したパラフィン包埋ヒト膵臓の免疫組織化学染色(40倍対物レンズ)。

環状ヌクレオチド依存性イオンチャネル

環状ヌクレオチド依存性(CNG:Cyclic nucleotide-gated)チャネルは、電位依存性イオンチャネルのファミリーに属します。CNGは、環状ヌクレオチドであるcAMPとcGMPの直接結合後に開口します。CNGチャネルは、非選択性カチオンチャネルであり、アルカリイオン間の識別が厳密でなく、2価のカチオンでさえ通過させます。

抗体名 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CNGA3 21657-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP
HCN3 13745-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB
HCN4 55224-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB
HCN1 55222-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, IP, WB

多様なイオンチャンネルに関連するその他の抗体

SCNN1A
カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  
10924-2-AP ウサギポリクローナル ELISA, IF, IHC, WB KD/KO 検証済み

SCNN1A(ナトリウムチャネル、非電圧依存性1α)は、ENaCA(上皮Na(+)チャネルサブユニットα)またはアミロライド感受性ナトリウムチャネルサブユニットαとも呼ばれ、上皮Na(+)チャネル(ENaC)のαサブユニットです。ENaCは腎臓、遠位結腸、および肺の塩吸収上皮の頂端膜に発現しています。ENaCは、ナトリウム選択性の極めて高い非電圧依存性の構造的活性化チャネルです。上皮組織全体の塩・液体恒常性に重要な役割を果たします。ENaCは、α、β、およびγの3種類のサブユニットで構成されています。SCNN1A遺伝子の変異は、ミネラルコルチコイドに対する標的器官の無反応性に起因する希少な塩喪失疾患である偽性低アルドステロン症1型(PHA1)と関連付けられています。

SCNN1A抗体(カタログ番号:10924-2-AP、希釈倍率:1:50)を使用したパラフィン包埋ヒト腎臓組織スライドの免疫組織化学染色(10倍対物レンズ)。

ATP6V1A
カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション  文献数
17115-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP, IHC 3 文献

液胞型H(+)-ATPase(V-ATPase:vacuolar-type H(+)-ATPase)は、エンドソーム、リソソーム、およびその他の細胞内オルガネラの酸性化に寄与します。原形質膜を越える細胞外空間への水素イオン輸送にも関与しています。V-ATPaseは、細胞質ドメインと膜貫通ドメインを持つマルチサブユニット複合体です。細胞質触媒ドメインは、ATPの結合と加水分解を行う3個のAサブユニットと3個のBサブユニット、ならびに調節アクセサリーサブユニットで構成されています。ATP6V1AはV型プロトンATPaseの触媒サブユニットAです。

ATP6V1A抗体(カタログ番号:17115-1-AP、希釈倍率:1:100)を使用したパラフィン包埋ヒト膵臓の免疫組織化学染色(40倍対物レンズ)。


 

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Posted:
30 September, 2020

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